再開発「見直し」 環境犠牲変わらず
東京都環境影響評価審議会の総会が21日開かれ、公園に超高層ビルを建設する神宮外苑再開発(新宿区・港区)で三井不動産など事業者の「見直し」案を追認しました。事業者は月内にも樹木の伐採を始める姿勢で、市民や研究者から「事業者の報告の丸のみだ」と批判が上がっています。
「見直し」案は、昨年9月に都が「樹木保全の具体策」を示すよう要請したのを受けたもの。▽移転建て替えする新野球場と4列のイチョウ並木との距離を当初計画からさらに10メートル離す▽新ラグビー場の高さを55メートルから48メートルに下げる―としましたが、希少なヒトツバタゴなどが生息する「建国記念文庫の森」を壊すなど超高層ビルと大規模施設の建て替えで樹木と環境を犠牲にする内容は変わらず。日本イコモス国内委員会は「『見直し』案は樹木の本数に言及しただけで、緑の質を全く考慮していない」と批判していました。
総会では事業者側が「見直し」案を説明し、「既存樹木の保全に配慮している」と主張。都環境局は「見直し」案について「今回の変更が環境に著しい影響を及ぼすとは認められない」と追認しました。
日本共産党都議団は18日、「都民や専門家の理解が得られていない『見直し』案に、都の責任で厳しく対処することが必要。都は『見直し』案に基づく申請を認可すべきではない」と小池百合子知事宛てに申し入れていました。
(しんぶん赤旗2024年10月24日付より)