総選挙は27日、投開票を迎えます。比例東京ブロックの定数は前回から2議席増の19となり、各党がしのぎを削る、かつてない大激戦です。日本共産党はラストサンデーの20日、志位和夫議長が立川駅前(立川市)で街頭演説に立ち、「『比例代表は日本共産党』の声を広げに広げて、田村智子委員長の衆院での初議席、宮本徹さんの宝の議席を絶対に確保して、谷川智行さんの3議席目の当選、小選挙区候補の勝利のために頑張りぬきます」と訴え。聴衆からは大きな声援が飛び、共感の大きな拍手で応えました。
志位氏は「国民が声を上げれば政治は必ず変わる。日本共産党が伸びれば政治は必ず変わる」と強調。金権腐敗一掃、暮らしと経済、外交と平和、核兵器のない世界など、主要な争点を巡って日本共産党の政策や公約について詳しく語りました。
争点に高齢者福祉
志位氏は「高齢者の福祉が大きな争点になってきた。自公政権と日本共産党以外の主要政党が、高齢者医療の負担増を競い合う異様な事態だ」と指摘しました。
自公政権は所得・年齢による1~3割の高齢者医療の窓口負担で、75歳以上の3割負担の対象を拡大することを閣議決定。維新の会は社会保障費の財源確保のためとして、原則3割を公約。馬場伸幸代表は「受診を控えていただける」(12日の日本記者クラブ主催の党首討論)と、給付抑制の狙いを露骨に語っています。国民民主党の玉木雄一郎代表は、現役世代の社会保障負担を引き下げるとの文脈で「尊厳死の法制化」に言及(同)、批判を招いています。
志位氏は「財政と絡めて尊厳死を語ることは政治家として絶対にやってはならないことだ。高齢者と若者を対立させる議論そのものが間違っている」と厳しく批判。「解決法は社会保障への公費負担を増やして高齢者も若い人も負担を軽減することだ。財源は軍拡をやめればいい。5年間で43兆円も税金を使うなら、まずは社会保障に使えということを強くいいたい」と提起しました。
その上で▽高齢者医療の窓口負担は一律1割・将来無料化▽介護保険は国庫負担の支出を10%増やし介護サービス改善・ヘルパーの給与引き上げ▽年金は巨額の積立金を計画的に使って物価に見合う引き上げ―などの政策を紹介。「高齢者が大事にされてこそ、全ての国民が大事にされる社会になる」と強調しました。
志位氏はまた、「社会保障の財源をつくるには財界や大企業の儲けを優遇する政治に正面からメスを入れる必要がある。企業団体献金をもらっている党にはできない」と断言。「党をつくって102年、財界から1円も受け取らず、これから100年も受け取ることはない。共産党への1票こそ暮らしに希望つくる一番の力」と力説。「日本共産党を躍進させ東京から日本の政治を変えましょう」と呼びかけました。
多摩の5候補訴え
街頭演説は、清水とし子都議(日野市選出)の司会で、志位氏とともに比例の宮本徹(20区重複)、伊藤和子両候補、多摩地域の5人の小選挙区候補がマイクを握りました。
宮本候補は、学生時代の学費値上げ反対のたたかいが政治家としての原点だとし、「生まれた家庭の経済環境によって進路が左右される社会であってはならない」と強調。今また授業料の大幅値上げラッシュが起きているのは、税金の使い方が歪んでいるからだと批判。「大軍拡をやめれば全学生の学費無償化はできる。国民の暮らしのために税金をつかう国にしよう」と力を込めました。
介護の仕事をしていたという中村けい子さん(74)=福生市=は「介護を必要としている人が増えているのに給料が安くてヘルパーは減り、介護報酬削減で閉鎖する事業所は増えている。税金の使い方が間違っている。共産党の議席を増やしたい」、元山すみ代さん(80)=同=は「少しだけ年金は上がったけれど物価高や介護保険料で実質は減っている。生活は本当に大変。共産党を伸ばすしかない」と語っていました。