日米指揮統制の強化狙う
準機関紙報道 六本木を想定
米軍準機関紙「星条旗」(電子版)12日付は、東京郊外の米空軍横田基地(福生市など5市1町)に置かれている在日米軍司令部を東京都心部に移転する案が検討されていると報じました。港区六本木にある米陸軍基地「赤坂プレスセンター」が想定されているといいます。日米両政府が進めている日米指揮統制強化の一環で、防衛省がある市ケ谷駐屯地(新宿区)に近く、連携強化を図る狙いです。
在日米軍司令部は部隊の指揮権などを有する常設の「統合軍司令部」の設置を検討。一方、自衛隊は来年3月、陸海空自衛隊の実動部隊を指揮する「統合作戦司令部」を創設する計画です。日米の指揮系統を統合し、事実上、自衛隊を米軍指揮下に置くことが狙いです。
赤坂プレスセンターに司令部が移転されれば数百人もの司令部要員や警備部隊の配備が想定され、周辺地域には大幅な負担増となります。テロ対策を理由とする警備強化も避けられません。さらに、敷地内にはヘリポートが置かれ、以前から騒音が問題になっていますが、司令部移転でヘリの運用が拡大する危険もあります。
そもそも、赤坂プレスセンターは敷地が狭く、司令部を移転するためには、隣接する都立青山公園の接収など、基地の拡張が避けられません。東京都は同プレスセンターの全面返還を求めています。
この問題をめぐり、中谷元防衛相は15日の記者会見で「現時点では何ら決まっているものではない」と述べるにとどまりました。
(「しんぶん赤旗」2024年11月16日付より)