前年比3割増 23年 都選管収支報告
政治資金パーティー9.4億円
東京都内の自民党、公明党、国民民主党など各党が統一地方選の行われた昨年、総額3億6151万円の企業・団体献金を集めていたことが21日、都選挙管理委員会が公表した2023年分の政治資金収支報告書で分かりました。参院選が行われた22年に比べ30.2%増やしました。
都内の政治団体4211団体が提出した報告書によると、自民党3億3804万円(前年比28・4%増)▽公明党2216万円(99・1%増)▽国民民主党129万円(37・7%減)▽立憲民主党2万円(97・8%減)▽社民党ゼロ(皆減)▽日本維新の会ゼロ(前年と同)▽れいわ新選組ゼロ(前年と同)▽参政党ゼロ(前年と同)―でした。
国会議員が代表を務める政党支部で最も多額の企業・団体献金を集めたのは、自民党の平将明衆院議員の2564万円でした。都議が代表の支部では同党の小松大祐都議の1793万円でした。
日本共産党は党員の党費、個人献金、「しんぶん赤旗」発行などの事業収入で収入を得ています。企業・団体献金や憲法違反の政党助成金を受け取らず、政治資金パーティーも開いていません。
一方、東京都内の政治団体が昨年開催した政治資金パーティーで総額9億4221万円を集めていました。政治資金パーティーの収入は企業・団体献金の「抜け穴」となり、裏金づくりの温床になっています。
最も多い金額を集めていたのは、自民党東京都支部連合会。昨年1月に港区のホテルでパーティーを開き、東京都トラック運送事業政治連盟が148万円のパーティー券を買うなど、8586万円を集めました。
収入から支出を差し引いた利益が収入に占める割合(利益率)は70・4%でした。
無所属の松原仁衆院議員は千代田区で2回のパーティーを開き、千代田区の不動産会社から160万円を集めるなど、計4886万円の収入を得て、利益率は92・2%でした。
裏金問題で10月の総選挙に無所属で立候補した自民党の萩生田光一衆院議員は、都内で2回のパーティーを開き計3290万円を集めました。同党の長島昭久衆院議員は埼玉県の医療法人などから計2362万円を得ました。
都議で最もパーティー収入を得たのは公明党の東村邦浩都議で、昨年5月に八王子市で開いたパーティーで1234万円を集めました。自民党の小松大祐都議は2回のパーティーで計1130万円を得ました。
小池都知事は1731万円
東京都の小池百合子知事が昨年、立川市で開いた政治資金パーティーで1731万円を集めていたことが21日、都選挙管理委員会が公表した2023年分政治資金収支報告書で分かりました。
小池知事の政治団体「百成会」は昨年4月、立川市内のホテルでパーティーを開催。家具大手販売会社ニトリが150万円、渋谷区の不動産会社が150万円、豊島区の印刷会社が50万円、東京都医師政治連盟が60万円、東京都トラック運送事業政治連盟が30万円のパーティー券をそれぞれ購入しました。収入から支出を差し引いた利益が収入に占める利益率は70.5%でした。
小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会は昨年3月と11月、新宿区内のホテルでパーティーを開催。渋谷区の不動産会社が計300万円、立川市の太陽光発電関連会社が計300万円、東京都医師政治連盟が計240万円、東京都トラック運送事業政治連盟が計140万円、東京行政書士政治連盟が26万円、連合東京が50万円のパーティー券をそれぞれ購入するなど、総額5721万円を集めました。利益率は81.3%でした。
(「しんぶん赤旗」2024年11月22日付より)