昨年のパーティー収入 また裏金? 無反省露呈
本紙調べで判明
自民党東京都支部連合会(都連)が2023年に開いた政治資金パーティーで、合計258万円を支払った三つの政治団体名を政治資金収支報告書に記載していなかったことが21日、本紙の調べで分かりました。都連は不記載を認め、収支報告書を修正すると説明しています。(丹田智之)(関連13面)
派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件の発覚後も不記載を続けており、自民党の根深い金権腐敗体質が示された形です。
都連のパーティーは萩生田光一衆院議員が会長だった同年1月30日、東京都港区のホテルで開かれました。パーティー券は1枚2万円で販売し、8586万円の収入が記載されています。
政治資金規正法では、1回のパーティーで同一の個人や団体から合計20万円を超える支払いを受けた場合、収支報告書に氏名(名称)や日付、金額などを記載することが定められています。不記載は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金が科されます。
本紙の取材に都連が不記載を認めたのは、若宮健嗣元衆院議員(現防衛相補佐官)の資金管理団体「若宮けんじ後援会」からの200万円、東京行政書士政治連盟からの計32万円、全日本不動産政治連盟東京都本部からの26万円です。いずれも各団体の収支報告書には記載がありました。都連は「パーティー収入の総額に変わりはない」としています。
若宮けんじ後援会の200万円は「同後援会100万円と自民党東京都第5選挙区支部100万円の負担だった」として修正する考えを示しました。1回の政治資金パーティーで150万円を超える対価を支払うことや受けることは禁じられており、規正法違反(量的規制)の疑いがあります。
同後援会の会計責任者は「そうした規定が念頭になく、預かり証の金額を見て200万円と記載した」と釈明していますが、上限を超える代金を受領した都連の責任も問われます。
「赤旗」日曜版(23年11月26日号)は、都連が22年分の収支報告書に7団体からの計380万円のパーティー収入を記載していなかったことを報じています。
神戸学院大学の上脇博之教授(政治資金オンブズマン代表)は「意図的な不記載も考えられ、判明したのは“氷山の一角”ではないか。派閥と同じ手法で、都連が不記載分を裏金化していると疑われても仕方がない」と述べています。
(「しんぶん赤旗」2024年11月22日付より)