東京地裁 訴訟で原告が陳述
多数の樹木を伐採し超高層ビルを建設する神宮外苑再開発(東京都新宿区・港区)で都が施行認可したのは違法だとして、周辺住民らが認可取り消しを求めた訴訟の第6回口頭弁論が12日、東京地裁(岡田幸人裁判長)で開かれました。
外苑近くの公共住宅に住む原告2人が意見陳述。住民の男性は、外苑に生息する希少な植物のヒトツバタゴについて、「江戸時代末期から外苑の地にあり、大正時代には国の天然記念物に指定した、この地のシンボル。3分の1ほどが伐採・移植で先人の努力もむなしく消滅しようとしている。近隣の生活者の思いを都と事業者はいつまで無視し続けるのか」と訴えました。外苑近くで生まれ育ったという女性は「(伐採される)建国記念文庫の森は子どもの遊び場になってきた。人々の心を癒やす場として長年守られてきた場がなくされてしまう」と語りました。
弁論後、原告らが開いた報告集会では日本共産党の吉良よし子、社民党の福島瑞穂両参院議員があいさつ。吉良氏は「再開発はまだ、さまざまなプロセスを経る必要がある。ラグビー場は独立行政法人が管理する土地で、再開発の権利変換には大臣認可が必要。私も『認可するな』と追及していく。力を合わせて、理不尽な樹木伐採を止めよう」と語りました。
次回弁論は来年2月19日の予定です。
(「しんぶん赤旗」2024年12月15日付より)