特殊部隊投入し飛行場占拠 航空作戦の拠点づくり
米軍が在日米軍横田基地(福生市など東京都多摩地域5市1町)で、最前線や相手国支配地域の飛行場を特殊作戦部隊が奪取し、作戦拠点とする新たな演習を実施したことが7日、米軍のニュースでわかりました。
「バイキング・ジェット25―1」と名付けられた同演習を実施したのは、米空軍嘉手納基地(沖縄県)配備の第353特殊作戦航空団(SOW)の第320特殊戦術飛行隊です。同飛行隊は、CV22オスプレイ・ヘリコプターによる強襲やパラシュート降下で敵対勢力の支配地域に潜入し、航空管制や爆撃・攻撃目標の指示などをする部隊です。
米軍のニュースによると、演習は昨年12月9~13日に実施。MC130J特殊作戦機からパラシュート降下による強襲と飛行場制圧、テントに通信機器を設置した居住区画兼作戦センター設営、MC130Jから岩国基地(山口県)の米海兵隊F35B戦闘機2機への給油と武器装填(そうてん)、負傷兵の救出などの訓練を行いました。
横田基地の監視活動を続けている羽村平和委員会によると、MC130J2機が9日、横田基地に飛来。11日にはF35B2機が着陸し、給油後すぐ離陸したといいます。
米空軍は、対中国を想定したインド太平洋地域の作戦で、戦闘機や爆撃機を迅速・大規模に投入する迅速戦闘運用(ACE)態勢をとっています。未整備の飛行場にも航空機と合わせて、機体整備や給油・武器装填、地上管制、滑走路修復などを行う部隊と資材を輸送機で同時に投入し作戦に使用する構想です。
今回の演習も、東シナ海、南シナ海でのACE態勢強化の一環で、戦闘や負傷者発生など「厳しい環境」を想定した危険な内容となりました。
(しんぶん赤旗2025年1月8日付より)