都議団座談会(中) 暮らし優先の都政こそ

野党第一党の力で都政に前向き変化 共産党都議団の実績と役割

痴漢ゼロは都政の課題 被害者の人生変えてしまう

米倉春奈都議(しんぶん赤旗提供)

 米倉春奈 最も身近な性暴力の痴漢ゼロを政治の課題にしたいと取り組んできました。この4年で国政でも都政でも政治の課題になったことは、本当によかったと思っています。
 都庁には痴漢撲滅プロジェクトチームが設置され、都は初めての痴漢被害実態調査を行い、都営地下鉄大江戸線には女性専用車両を導入しました。

 取り組みの出発点は、私も委員に入っている共産党東京都委員会のジェンダー平等委員会で、まず痴漢被害に遭った方たちの声を聴こうと相談して行ったネットアンケートです。普通の生活空間で何度も被害に遭い、その後の人生の打撃になっているなど深刻な被害が分かりました。初めて被害に遭った年齢は、7割が18歳以下で、子どもへの性暴力であることも明らかになりました。

 2021年2月に私の一般質問で痴漢ゼロ実現のために全面的な対策を都に求めましたが、質問の多くについて都側から「答弁できない」と言われて、議論することさえ初めは困難がありました。

 和泉なおみ 痴漢被害に遭った人の声は、私たちも聴いていて本当に胸が痛かった。「電車に乗れなくなった」など人生の歩みを変えてしまうほどの大きな傷になって残ることを、アンケート結果も示して、都側に認識させて、痴漢対策を前に進めさせた。
 補聴器購入補助をつくらせた問題も、都議団が切り開いてきたね。

補聴器補助 生活の質向上 シンポ開催、条例を提案

原純子都議(しんぶん赤旗提供)

 原純子 地域を回ると、聞こえの問題を抱えているのに「補聴器は値段が高いから」と買わずにいる人や、自分の耳に合うよう調整していない人も多い。都議団が「聞こえ」をテーマにしたシンポジウムを開き、冊子にしたものを配って活用しました。補聴器の使用が生活の質の向上につながるという調査結果や資料を都側にも提供して、補助を拡充するよう説得しましたね。

 和泉 都は「包括補助(さまざまな施策を一まとめにした補助)で支援している」と繰り返していたけど、これでは補聴器の導入が十分進まない。21年2月議会と23年2月議会では、補聴器購入費を補助する条例案を提出しましたが、自公・都ファに否決されました。それでも補聴器補助を繰り返し求め続けて、ようやく24年度予算で、補聴器単独で補助のメニューに格上げさせ、補助の上限額も引き上げることができました。

  都議団で作った、補聴器補助を求めるポスターが好評で、ポスターをはがさず街に張り続けている地域もあります。大事な要求なんですね。

中小企業賃上げ 具体的提案 国保、子ども運賃など軽減を

 米倉 街を回ると、どこでも「暮らしの大変さが増している」という声に出合います。物価高騰が続いているのに、賃金や年金の上げ幅が追い付いていない。

和泉なおみ都議(しんぶん赤旗提供)

 和泉 賃上げでは鍵を握っているのが中小・小規模企業ですよね。都議団の経済チーム中心で徹底的に調査して、24年12月議会では、シンプルで使い勝手もよい「1社当たり200万円、1万社対象」の奨励金をつくるよう提案したね。

  国民健康保険料や介護保険料、後期高齢者医療保険料などの負担を減らすことも大事ですよね。都営交通の子ども料金の対象を現行の「小学生以下」から「18歳以下」に広げることも提案しました。

「住まいは人権」家賃高騰、住めない東京でいいのか

 米倉 12月議会では家賃高騰の対策も取り上げました。23区のファミリー向け物件の平均家賃が23年に比べ月3万2千円上がって21万円を超えるなど、東京は富裕層しか住めない街になりつつある。

  高層ビル中心の再開発を各地で誘導している都の責任は本当に重いと思います。「住まいは人権」の立場に返って、家賃補助や、都営住宅の建設、借り上げを行うことが必要ですね。

 米倉 東京は全国の都道府県で単身世帯が一番多い。学生は学費負担も重いし、単身女性は男性より賃金が低い上に、住まいでもセキュリティーを大事にせざるを得ないから、家賃がどうしても高くなってしまう。家賃補助は切実です。

 和泉 都議団は「四つのチェンジ」(注)を掲げていますが、暮らしを守り抜く上でも、持続可能な街づくりを進める上でも、「誰もが住み続けられる東京」に変えることが必要ですね。(つづく)

(注)共産党都議団の「四つのチェンジ」
(1)物価高騰から都民の暮らしを守り抜き、地域経済を立て直す
(2)財界ファーストの「街壊し」から、住民参加の持続可能な街づくりへ
(3)命と健康を守り抜く都政へ
(4)人権と平和を大事にする都政へ

(しんぶん赤旗2025年1月9日付より)

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