都予算案 物価高対策は不十分
東京都は31日、一般会計で過去最大の9兆1580億円(前年度比8・3%増)、特別会計と公営企業会計を合わせると17兆8497億円(7・8%増)からなる2025年度予算案を発表しました。
予算案では、シルバーパス(70歳以上のバス・都営交通乗車証)の負担額を現行の2万510円(住民税課税の人)から1万2000円に、4割引き下げます。石原都政が00年度に自民党・公明党などの賛成で全面有料化を強行して以降、日本共産党と多くの都民が繰り返し負担軽減を求めてきた内容が反映されました。
一方、深刻な物価高騰が続く中、物価高騰対策予算は1671億円と、前年度当初予算に比べ3・2%しか増えていません。高過ぎる国民健康保険料(税)の引き下げや、ひとり親家庭・障害者の福祉手当の拡充も盛り込んでいません。都営住宅は26年連続で新規建設ゼロ。家賃補助にも背を向けています。
予算案では、「無駄遣いだ」と都民の批判が広がっている臨海副都心・お台場の「世界最大級の噴水」設置に26億円を計上。都庁舎などに映像を映すプロジェクションマッピングに16億円を盛り込みました。
IR(カジノを中核とする統合型リゾート)誘致の調査費1000万円も、20年度から5年連続で未執行であるにもかかわらず、計上し続けています。
住宅街で陥没事故を起こした東京外環道の建設費51億円、住民が反対している幹線道路「特定整備路線」に459億円、築地市場跡地の再開発に46億円などを盛り込みました。
住民福祉増進を - 和泉幹事長が談話
共産党都議団の和泉なおみ幹事長は予算案についての談話を発表。「シルバーパスの負担軽減は、都民の運動と共産党都議団が切り開いた成果で、高校・都立大学の授業料無償化、学校給食無償化に続くもの」としつつ、「最も光を当てるべき物価高騰対策は極めて不十分で、再開発や大型道路など『財界ファースト』事業に巨額の予算をつけている」と指摘しました。
その上で、「都議会野党第1党19議席の力を生かし、条例提案や予算組み替え案などで都民の声を届け、住民福祉の増進を大事にする新しい都政の実現に全力を尽くす」と表明しています。
(「しんぶん赤旗」2025年2月1日付より)
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