東京・清瀬 住民投票実施こそ
きょう臨時議会 子ども・市民ら存続求める
東京都清瀬市が市立図書館6館のうち4館を廃止する計画を巡り、賛否を問う住民投票条例案が3日、臨時議会で審議されます。市民団体が直接請求しました。住民投票を実施するか否かが、この議会で決まります。
市民団体は「住民投票で夢のある図書館を創るきよせの会」。「私たちの声を直接議会に届けられる最後の場」だとし、傍聴を呼びかけています。
プロセスを疑問視
廃止の計画は市民に明示されないまま、廃止案が市議会に提出され、昨年3月に自公など賛成多数で可決されました。市は今年3月末に4館を閉館し、4月から本の宅配サービスを始めます。2館体制になれば、これまで棚に並べられていた蔵書数の6割以上が、閉架となります。
この計画やプロセスを疑問視した市民らは、同会を立ち上げ、図書館の存廃を問う住民投票の実施を目指し昨年11月に署名を開始。約1カ月で市内有権者(約6万人)のうち約8千人分の署名を集めるなど、急速に運動が広がりました。
宣伝では、その場で運動の担い手になる人もいました。ある地域では訪問活動を展開。「待っていた」と出迎えられることも。
本との出会いの場
同会には、存続を願う子どもたちや市民の声が多数寄せられました。「たくさんの本を見ながらおもしろそうな本を探すのが楽しい。図書館がなくなったら悲しい」(9歳)、「市民にとって身近な図書館を、本との出会いをなくさないで」(20代・女性)など。署名とともに、そうした声を各会派の市議に届けました。
昨年12月中旬に開かれた報告集会は、平日の夜にもかかわらず大勢の参加者が。終了時間のぎりぎりまで駆けつける人がいました。仕事を終え参加した男性(40代)は、署名活動自体が「初めて」。自宅にはポスターを張り、SNSで発信もしました。「近所には子どもがいる世帯も多く関心が高い」と語ります。
自身も3人の子育て中で「普段は慌ただしくても、図書館に行けば子どもたちは黙々と本を読んでくれます。気軽に行ける図書館は欠かせない」と言います。
閉館について市は、「経費削減が目的ではない」と主張します。宅配サービスは市内在住者のみが利用でき、無料で回数無制限としています。
(しんぶん赤旗2025年2月3日付より)