高額療養費「立ち止まれ」 介護報酬「元に戻せ」
参院予算委 小池書記局長が追及

参院に移った2025年度予算案の審議は6日、日本共産党の小池晃書記局長が予算委員会で質問に立ちました。社会保障関係費、文教費、中小企業対策費など、暮らしの予算はどれも物価上昇に実質マイナスである一方、軍事費は過去最大の8・7兆円で、前年度比9・5%も増えたと強調。国民総生産(GDP)3%以上の軍事費引き上げを求める米国に対し、きっぱり拒否しない石破政権では「国民の暮らしや平和を守れない」と批判しました。(詳報はこちら)
小池氏は、軍事費が「安保3文書」以降の3年で3・3兆円も増え、1・6倍となっており、1931年の満州事変勃発前後の3年で1・4倍となったペースを上回り、「戦時下に匹敵するような膨張だ」と指摘。4日に米国のコルビー次期国防次官候補がGDP比で3%以上に引き上げるべきだと主張したことに対して、「GDP600兆円の3%なら18兆円になる。暮らしも財政も破綻する。はっきり拒否すべきだ」と追及しました。
石破首相は「陸海空、何が必要なのかを精緻に積み上げた結果として定まる」と3%への引き上げを否定しませんでした。
一方、暮らしの問題で小池氏は、昨年4月に訪問介護の基本報酬が引き下げられて以来、訪問介護事業所の倒産が相次ぎ、訪問介護の空白自治体が急増し107にのぼっている実態を「しんぶん赤旗」のスクープを示して告発。福岡資麿厚生労働相は「訪問介護は(地元自治体の事業所がなくても)大半で近隣市町村の事業所によるサービスを利用している」などと開き直りました。
小池氏は「隣の町に行けばいいというのはひどい話だ」と批判。「介護報酬引き下げは50億円。法律事項でもない。首相の決断でできる」と指摘し、訪問介護の基本報酬を元に戻すよう求めました。石破首相は「元に戻すことは考えていない」と拒否しました。
小池氏は、全国がん患者団体連合会や東京都医師会が凍結を求めている「高額療養費制度」の8月からの負担上限額の引き上げは「100億円ちょっとで立ち止まれる」と強調。5日の質疑で佐藤正久氏(自民)が「文化庁の予算が少ない。イージスシステム搭載艦の4分の1だ」などと指摘していたことを紹介し、「F35は1機200億円だ。大変な方程式はいらない。予算のやりくりで十分に可能だ」「立ち止まるなら今すぐだ」と白紙撤回を迫りました。石破首相は「(がん患者らの)懸念が杞憂(きゆう)に終わるように適切に判断する」と述べるにとどまりました。
(「しんぶん赤旗」2025年3月7日付より)