ウクライナ演習 海自秘密裏参加 紛争国派遣「前代未聞」

参院予算委 山添氏が追及

 日本共産党の山添拓議員は7日の参院予算委員会で、海上自衛隊が紛争当事国であるウクライナとの多国間軍事演習に参加していた事実を防衛省が公表していなかった問題を取り上げ追及しました。

 同軍事演習「シーブリーズ」は米国とウクライナが共催する多国間演習で、昨年9月はウクライナ南部とクリミア半島に面し緊張が高まるブルガリア沖の黒海で実施。海自は米軍、ウクライナ軍などと機雷の水中処分などの訓練を行ったとされていますが公表されていませんでした。

 中谷元・防衛相は、同演習について自衛隊は2021年にオブザーバーとして初参加し、22年はウクライナ情勢勃発により中止、23年から本参加を開始し、24年には英国での演習に1人、ブルガリアに10人派遣したと説明しました。

 山添氏がなぜ公表しなかったのかとただすと中谷氏は、艦艇を派遣しなかったことや派遣が少人数にとどまったことをあげました。山添氏は、ロシアのウクライナ侵略以前の21年は1人の派遣でも事前に公表していたと指摘し、「憲法の下で、実力組織の海外派遣を秘密裏に進めること自体が大問題だ」と批判。交戦状態にある国への軍事演習に参加することは「前代未聞の事態で、公表せずにきたことは重大だ」と断じました。

 山添氏は日米同盟の及ぶ地理的範囲について、昨年4月の日米共同声明では「インド太平洋地域」としていたものが、今年2月の同共同声明で「インド太平洋及び『それを超えた地域』」と変更され拡大したと指摘。「日米同盟を野放図に拡張するものだ」と批判し、「国民に知らせず海外の軍事演習に参加する対米従属からは脱却すべきだ」と求めました。

(「しんぶん赤旗」2025年3月8日付より)

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