「政治は動かせる」信念に 八王子市(定数5)アオヤギ有希子都議

奥羽大学文学部卒。八王子市内医療機関で事務。2008 年、
日本民主青年同盟都委員会専従職員。2011 年に八王子
市議初当選、市議3 期。2021 年都議に初当選。文教委員、
環境・建設委員を歴任。趣味はドラマ鑑賞
都議に当選後、最初に所属したのが文教委員会でした。共産党は2人の委員を出せたので、教育現場の先生や保護者の声を聞く機会を多く持つことができました。切実な声を届け、特別支援教室の教員削減の問題や、特別支援学校に通う医療的ケア児の専用車両の問題で、前進できた部分もあるのでうれしく思っています。
特別支援教室で発達障害で授業や友だち関係などで困っている子ども達を担当する先生たちからは、年度途中に子どもが増え20人近く担当することもあるのに、都は教員1人あたり受け持つ子どもを10人の基準を12人に増やして教員を減らそうとしているとの訴えがありました。
配置基準は改悪されましたが、子どもが教室に通える期間を原則1年最長2年とされようとしていたのを、それ以上いられるとの答弁を引き出しました。発達障害は1、2年で解決するものではありません。子どもたち一人一人の発達に応じた教育ができるよう、教員の数を抜本的に増やすことが必要です。
願い実現へ前進
市議時代に障害児の保護者から「自分が病気になったり、急用ができると、子どもが学校に行けなくなる」という衝撃的な声を聞いたのをきっかけに、障害児の移動支援の充実に取り組みました。都議会でも、都としいません。背景には低賃金があります。都は職員の処遇改善は国の仕事だとして後ろ向きでしたが、共産党都議団が繰り返し求める中で、24年度から家賃補助という形で1人月1〜2万円賃上げ予算を盛り込みました。
私自身、両親とも認知症となり、妹と分担して在宅介護をしていますので介護は切実な問題です。父が母を介護していましたが、父も認知症になってからはデイサービスやヘルパーさんにお願いし、なんとかやってきました。
地元の世田谷区には「認知症とともに生きる希望条例」(2020年て区市町村が行う移動支援を拡充をするよう求めました。また、医療的ケア児の専用通学バス(医ケアバス)が希望しても利用できないという保護者の声を取り上げました。
増便できない要因に、同乗する非常勤看護師の確保の問題があり、勤務時間を19時間から20時間以上の働き方を作らせ、社会保険に加入ができるようになり、看護師確保につながり、医ケアバスを増やすことができました。バスが確保できない場合の福祉タクシーの料金も、就学奨励費の適用を認めさせて保護者負担の軽減につなげました。
都政の重要な役割
都議になって都政の役割はとても重要だということを改めて感じています。学校給食の無償化にしても都は最初、国の役割だとか区市町村の責任でと言って自らやろうとしませんでした。しかし、都民の声と運動、都議会の論戦で補助を実現し、多摩地域は8分の7まで補助を拡充したことで、都内全自治体に広がりました。
23区に比べて財政力の弱い多摩地域の自治体にとって財政負担が重く、「多摩格差」をなくすには都の財政力を生かした対策が必要です。
23 区全区が実施している子どもの医療費無料化の所得制限撤廃も、都の多摩地域への10分の10補助で前進しました。さらに、補聴器補助も多摩地域に支援が必要だと思います。
政治は変えられる
私は就活氷河期世代で、教員や事務の採用試験を数十社受けましたが不採用ばかりで、「自分のせい」と自己責任にさいなまれた時期がありました。そんな時、知人の誘いで共産党福島県議を囲む青年の集いに誘われ、参加しことをきっかけに日本共産党に入党しました。
青年の雇用を守る活動で市に要望書を提出し、意見書が市議会で可決した時、「社会は少しずつ変わっている。それは一人ひとりの力で動いている」と実感しました。それは就職した八王子市内の医療機関や、その後の青年運動、市議の活動を通して、信念のようなものになって自分のなかに根付いています。
都議になって忙しい毎日ですが、今楽しみにしているのが、録画したNHKの朝の連続ドラマ「虎に翼」をもう一度観ることです。今に通じる女性の思いに共感します。主人公が結婚など「漠然といやだと思っていたこと」が全て古い憲法につながっていたと知った時、問題の根源を知って展望がわく場面があります。私も入党し、科学的社会主義を学んだ時、そうだったことを思いだしました。社会は一人ひとりの力を合わせて変えられるのだ、と展望が広がりました。
あらゆる人が安心して暮らせる社会を実現したいという思いで、都政に向き合ってきました。しかし「財界ファースト」の小池都政のもとで、問題だらけの中学校英語スピーキングテストやスクールカウンセラーの大量雇い止め、再開発、開発による街壊しなど課題は山積しています。シルバーパスのモノレールへの適用や減便・廃止が広がるバス路線など地域公共交通の改革も急がれます。だれもが希望が持てる都政に変えるために引き続き力を尽くす決意です。
都民の「困った」を都政に 世田谷区(定数8)里吉ゆみ都議

帝京大学卒。自動車火災保険会社勤務、日本共産党都議
団事務局員を経て、03 年4 月から世田谷区議3 期。13
年7 月都議(3 期目)、現在、都議会厚生委員。家族は夫、
子ども1 人、猫。趣味は書店めぐり、猫と遊ぶこと
「学費高すぎ」「物価高騰どうすれば」「ヘルパーさんがいなくて介護受けられない」など、都民の「困った」を都政につなげてきました。困っている人が近くにいると、ほっとけないたちなんです。気になってしまう。
若い頃、なりたい職業がなかったので議員になって、もしかしたら、自分に合っていたのかも、と感じています。粘り強く求めてきた小中学校の給食や高校授業料の無償化が実現できました。人の役に立てていることに幸せを感じます。
認知症でも尊厳を
東京は2人暮らしの高齢者世帯が増えているのに、介護従事者は増えていません。背景には低賃金があります。都は職員の処遇改善は国の仕事だとして後ろ向きでしたが、共産党都議団が繰り返し求める中で、24年度から家賃補助という形で1人月1〜2万円賃上げ予算を盛り込みました。
私自身、両親とも認知症となり、妹と分担して在宅介護をしていますので介護は切実な問題です。父が母を介護していましたが、父も認知症になってからはデイサービスやヘルパーさんにお願いし、なんとかやってきました。
地元の世田谷区には「認知症とともに生きる希望条例」(2020年施行)があります。認知症は誰もがなる可能性があり、認知症になっても尊厳をもって安心して生きられる地域共生社会を目指すというものです。
本来は介護保険が頼りになるはずなのに、国は24年度の介護報酬改定で、家事援助などの基本報酬を引き下げました。両親の介護で分かるのですが、利用者と一緒に家事をすることで機能が保たれ、認知症の進行を遅らせることができます。ところが利用者に寄り添った介護をするほど赤字になり、廃業・撤退する事業者が相次いでいます。
東京の高齢化はこれからがピークです。地域で暮らし続けるには、若い人たちにとって魅力ある職業になる必要があります。国に制度の改善を求めるとともに、都に高齢者や家族、従事者の声を生かした支援のいっそうの充実を求めていきます。
公的医療守る
世田谷区内にある都立松沢病院は都立で唯一の精神科専門病院で、コロナ禍で積極的に認知症や精神疾患のあるコロナ患者を受け入れてきました。精神科は不採算医療で、民間の医療機関で受け入れない患者も受け入れてきました。
ところが都は病院の経営形態を独立行政法人(独法)に変更し、病床を204床も休止してしまいました。松沢病院は患者や家族にとって唯一と言ってもいいセーフティーネットなのに、早期の退院や転院を迫るケースが相次いでいます。
独法化された14病院全体で705床のベッドが休止しています。共産党は採算優先の独法化に反対でした。次のパンデミックに備え、小児科や産科などの不採算医療を担う公的医療を守るためにも、都直営に戻すことを求めていきます。
許せない自然破壊
大学時代は旅行サークルでテントと寝袋を持ってキャンプをしながら日本全国を旅しました。各地の豊かな自然に触れる中で、開発で自然が壊されていく姿を目の当たりにし、地元・八王子では高尾山にトンネルを掘る計画を知り、絶対に許せないと高尾山を守る運動に参加しました。
それがきっかけで日本共産党にも入党しましたので、小池都政が強行する再開発で、住民の暮らしや都会の貴重な自然が壊されていくのを許すことはできません。住民無視で強行し陥没事故を起こした外環道建設は、その典型です。中止に向けて住民の皆さんと力を合わせます。
趣味は書店巡りです。本好きが高じて図書館司書の資格も取得しました。今は資料を読むのが忙しくて、本を読む時間が取れないのが悩みです。
教育評論家の三上満先生の言葉で「個人的なことは社会的なこと」という教えがあります。「自己責任」と思いがちなことでも背景には制度や政治に責任があるということを、何かに困っている人、悩んでいる人にも伝えたいです。とくに今のような大変な時代を生きる若い人には、「自己責任」はつらすぎます。
都政には「困った」の多くを解決する力があります。これからも都民の「困った」を解決するために、都政につなげていきます。