日本共産党東京都委員会 田辺良彦都委員長に聞く
東京都議選が6月13日告示・22日投票でたたかわれ、日本共産党は現有19議席を必ず確保し、さらなる躍進をめざしています。都議選の情勢と勝利に必要なとりくみについて田辺良彦都委員長に聞きました。(都議選取材団)
参院選と一体 勝利必ず

今回の都議選は参院選と連続でたたかわれます。12年前のダブル選の都議選で日本共産党が8議席から17議席に躍進した後、当時新人の参院東京選挙区候補だった吉良よし子さんが「景色が違って見えた」というふうに語っていたのが印象に残っています。都議選での党の躍進が都民に「共産党には力がある」「ここに投票すれば政治を動かせる」ということを示し、参院選での躍進につながりました。
政治対決の中心地である東京は、支配勢力のさまざまな攻撃の影響も最も強く出るので苦労も大きいですが、それを打ち破れば政治を前に進められることは党の歴史が証明しています。
2024年の総選挙で東京は比例代表で議席を減らす残念な結果だっただけに、今度こそ必ず勝利したいと強く思っています。
都議選・参院選で勝利するために、やっぱりベースになるのは日本共産党への支持の大きな流れをつくり出す、比例票を増やすことです。東京で比例100万票を実現するためのとりくみが都議選でも軸になります。
吉良さんは、都議団との連携がものすごく濃密なんです。都内の全自治体で実現した学校給食無償化も痴漢対策の前進も吉良さんの国会質問と都議団の論戦のタッグのたまものです。そういう意味でも都議選と参院選を一体のたたかいとして、都議選で勝利し、全国的にも参院選勝利の流れを必ず切り開く選挙にしたいです。
野党第1党 都政動かす

党都議団は13年、17年、21年の3回、連続躍進し、都議会野党第1党、国会でいえば衆参100議席に匹敵する、自民・公明・都民ファーストと肩を並べる議席を維持してきました。
それを反映して都議会の力関係は特にこの4年間で劇的に変わりました。
長い間都議会は日本共産党以外の「オール与党」体制が続いていました。日本共産党が都民要求と結んで提案したものは共産党だけの賛成で否決されるという状況が続いてきました。
4年前、小池都知事の予算に反対したのは共産党のほかは1人だけでした。ところが今年度予算は日本共産党をはじめ都議の3分の1が反対しています。
議会の力関係を変えたのは、都民の粘り強い運動を背景に、党都議団が野党第1党として他の野党と力をあわせる努力を積み重ねてきたことがあります。
学校給食無償化では、共産党は17年から4回、条例を提案しました。23年12月には無償化を求める都民の請願を自公都ファが不採択にしてしまいました。しかし、共産党は無償化条例案を4会派共同で提出すると表明すると、小池都知事が「給食費の負担軽減に踏み出す」と態度を変え、25年から都内全自治体で給食費無償化が実現しました。
シルバーパスをめぐって、共産党は17年以降だけでも負担軽減の条例案を5回提案しています。24年12月に5会派共同で条例案を提案し、自公都ファに否決されましたが、都は直後の今年1月に値下げを表明しました。
野党第1党として共産党都議団が提案すると都政が動く状況をつくりだしてきました。
自民裏金追及でも力
都議会自民党の裏金問題追及でも党都議団が先頭に立っています。
都議会自民党の裏金は会派ぐるみで行われたもので極めて悪質です。200万円分のパーティー券を渡し、販売して100万円を超えた分は上納しなくていいというものです。議員がいくら売ったのか本人にしか分からない。
共産党などが政治倫理審査委員会の設置を求めましたが、自公都ファが拒否し、代わりに政治倫理条例検討委員会をつくり、政治倫理一般の問題にすり替え疑惑にフタをしようとしました。
ところが、都民の怒りを背景に、野党が協力して裏金都議19人を参考人として招致せよと迫り、公明や都民ファも2人だけに限ったものの招致を求めざるを得ない状況に追い込んできました。この問題でも共産党の値打ちが輝いています。
自公都ファ対共産が軸
都議選全体の対決構図は、自公都ファ対日本共産党のたたかいです。
都民の運動と党都議団の奮闘で住民要求の実現で前進はあるけれども、小池都政全体としては「財界ファースト」の都政を進めています。東京の巨大な財政力との関係で言うと都民の暮らしを守る施策はきわめて不十分です。
3月まで開かれていた都議会第1回定例会で、日本共産党都議団は、予算の6・6%を組み替えて、賃上げ支援や家賃補助、シルバーパスの無料化、国民健康保険料(税)・後期高齢者保険料の引き下げなど、145項目の都民の願いを実現する提案をおこないました。残念ながら自公都ファの反対でこの議会では実現することはできませんでしたが、今度の都議会で、どの党を伸ばせば都民の願いを実現し、暮らしを守ることができるのかがハッキリしました。
小池都政を支える自公都ファに審判を下し、日本共産党を伸ばすことが都民の願いをもっと実現する一番の力です。
給食費無償化もシルバーパス値下げも自公都ファが実現を阻んできたけれども、共産党が都民の運動と力を合わせれば実現できることを示したのがこの4年間です。次の都議選で野党第1党をさらに増やすことができれば都民要求をもっと実現できる、そのことも訴えていきたいです。
今度の都議選には、都議会に議席を持たない国民民主党なども候補者擁立をすすめています。彼らは国会では企業・団体献金を存続させることを自公と合意して自民党を助けています。都議会でも、小池知事が「仲間です」と述べている通り、都民の願いにこたえる立場はないと思います。
容易でないたたかいですが、都議会野党第1党としての共産党の存在感に確信を持って、おおいに共産党の値打ちを広げる選挙にしていきたい。
この間の「要求対話アンケート」では、物価高騰への悲鳴が相次いでいます。私たちは都議選で「物価高から都民生活を守る緊急要求」(別項)を掲げ、さらに都民の声を聞いてバージョンアップさせながらたたかいます。
都議選で勝利すれば参院選勝利の流れをつくり出せます。ぜひ全国のみなさんにも、東京のお知り合いに声をかけていただきたいですし、知り合いがいなくてもSNSで拡散・発信はできます。選挙ボランティアやSNS支援、募金など、ぜひ協力していただきたいです。全国の期待に応えるため、都党の総力をあげて頑張ります。
物価高から都民生活を守る緊急要求の柱
▽1人当たり12万円の賃上げへの中小企業支援と公契約条例実現
▽100万世帯への月1万円の家賃補助
▽修学旅行・制服など無償化、通学定期への補助
▽国保料(税)・後期高齢者医療保険料を1人3万円引き下げ、18歳までは無料に
▽上水道料金の10%値下げと1人1万円の生活支援金給付
(「しんぶん赤旗」2025年4月15日付より)